「Veggy Way」　安藤夏代さんに聞く！
札幌で楽しむヴィーガングルメ

　観光都市として人気の高い札幌市。国内だけではなく、海外からの観光客もたくさん訪れています。海外の方のなかには、完全菜食主義者である「ヴィーガン」の方も。せっかくの札幌。おいしいものを楽しんでほしいけど、ヴィーガン対応の飲食店ってどうやって探すの？そんな疑問や札幌のヴィーガン事情について、札幌のベジタリアンおもてなしの第一人者である、「Holistic Bio Cafe Veggy Way」オーナーシェフ・安藤夏代さんにお話を聞いてみました。ぜひ、お店選びや、お店の紹介に役立ててみてください。

安藤夏代さんプロフィール

　ベジタリアンフードセラピスト。製菓学校卒業後、母校に就職し、製菓実習助手、クラス担任を務める。BSE（牛海綿状脳症）の牛の殺処分映像を見たことをきっかけに菜食へ。2017年、札幌市の円山エリアに「Holistic Bio Cafe Veggy Way」を共同経営でオープン。オーナーシェフを務める傍ら、セミナーや講演活動、料理レッスンなども精力的に行っている。2023年春から誰でも受講できる、「調理師学校の菜食バージョン」をイメージしたオンラインスクールを開講予定。

教えて！札幌のヴィーガン事情

　新型コロナウイルスの流行でいったん減ってしまいましたが、コロナ禍前は、訪日外国人観光客数は年々増加の傾向にありました。北海道を訪れる海外からの観光客の方で、ヴィーガンやベジタリアンの割合が高いのは台湾の方なんです。これは宗教上の理由と、素食というベジタリアン文化が普及していることに関係しています。最近では、日本人の若い方に菜食の方が増えてきたと感じますね。コロナをきっかけに、免疫を意識することや身体にいいものをとりたいと考えるひとが増えたのかもしれません。私自身、食の世界に携わってから半分以上の年月を菜食で過ごしてきましたが、心と身体にいいと実感しています。

Holistic Bio Cafe Veggy Wayってどんなお店？

　完全菜食のカフェで、五葷（ごくん）と呼ばれるネギ類やニラ、ニンニク、ラッキョウ、アサツキを抜いたお料理やスイーツを提供しています。コンセプトは、「心とカラダをつなぐ食スタイル　Holistic Bio Food」。不思議なことに、消化や吸収って食べるときの心の状態やつくるひとの気持ちで変わるんですよ。食べるひとがお料理でワクワクしたり、つくるひとが「おいしく食べてほしい」と思ったりすると、食べたひとの消化・吸収が良くなると言われているんです。今おすすめしている創作ヴィーガン料理のコース「シェフ‘ｓランチ」は、旬のおいしさや見た目の美しさ、食べ応えを意識しながら和洋日替わりで提供しています。

　パフェなどのヴィーガンスイーツには最近、ケーキが登場しました。ナッツフリーのものもあるので、アレルギーのある方も安心。自分の志向や体質で食べることを「我慢」するのではなく、誰もが楽しめるおいしさをつくりだして、たくさんの笑顔を生み出したいと思っています。

なるほど！ヴィーガン対応飲食店の見つけ方

　いちばん手軽なのは、ベジタリアンレストランの検索サービスを利用することだと思います。有名なのが「Happy Cow」というサイトで、私のお店へもこちらを見て来店したという海外からのお客さまがいらっしゃいました。北海道に特化したものだと「Welcome HOKKAIDO」というサイトがありますよ。

　念のため、おだしや五葷を使っていないか、事前にお店に確認しておくと安心だと思います。対応しているお店が少ない地域もありますから、一般的なグルメサイトでメニューがいっぱいあるお店や野菜をメインにしたお店を探してみて、食べられるものを注文するというのも一つの手。せっかくの北海道の食、たくさんの方に楽しんで帰っていただきたいですね。