二条市場
売り手の威勢のいい声が響く、100年以上の歴史ある市場
※2019年11月21日更新
遡ること明治初期、石狩浜の漁師が新鮮な魚を売り始めたことがきっかけで開設されたと言われる「札幌二条市場」。かつては創成川の対岸、西1丁目から東2丁目にかけて、ずらりと市場が並び、次第に青果店や居酒屋などが集まり現在のかたちとなりました。現在も市民の台所として愛され続けていますが、マチナカという立地の良さもあって、北海道土産を求める観光客や旅行者で連日賑わっています。
各地から届く新鮮魚介を市場価格で
四方を海で囲まれた北海道は、海の幸の宝庫。道都である札幌には、北海道の各地から新鮮な魚介がここに集まってきます。現在、二条市場には約15店舗ほどの水産会社や鮮魚店が立ち並び、その日仕入れた活きの良い魚介を販売。カニにホッケ、ホタテなど海産物が並ぶ様は目にも鮮やか。店舗ごとに扱う種類も異なり、見くらべてみるのも楽しみのひとつです。
鮮魚のみならず、干物や海産加工品を販売する店も多数。その場での持ち帰りはもちろん、多くの店が発送手配(有料)もやっているので、旅先でも心配無用です。
野菜やフルーツも! 試食も市場の醍醐味
「札幌二条市場」と言えば、海鮮と思われがちですが、市場内には野菜や果物を扱う店もあります。北海道の特産品・メロンをはじめ、豊かな地で育ったブドウやリンゴなど、いずれもおいしそうなものばかり。夏は、道産のあま~いトウキビ(とうもろこし)も店先に並びます。贈り物にもぴったりです。
店によっては、店頭で試食も行っています。味を確かめてから購入できるのは、うれしい限り。
じっくり目を凝らして楽しい
連日盛況につき、特に午前中は市場内を歩くだけでも大変ですが、実はいろいろなとこに目を向けてみると市場らしい趣を感じられます。天井には浮き球を活用した照明が飾られ、店の模ったプレートが各店の看板に。港町のような雰囲気で、風情があります。
道すがらに出会える銅像は、二条市場のマスコット。男の子と女の子の2体あり、ちょっとした撮影スポットになっています。路面店ゆえ寒さが気になりますが、冬はところどころに石油ストーブも。暖かい格好はマストですが、歩いていて時折あたる温かい空気に、ホッとします。
新鮮ネタが味わえる
活きのいい鮮魚を今すぐ食べたい! という人は、市場内にある飲食店へどうぞ。寿司店や海鮮丼、炙り焼きの店などが6店舗ほどあります。また、鮮魚店にイートインコーナーが併設している店舗もあるので、覗いてみると良いでしょう。市場で味わう海鮮は、格別です。
こちらにも足を運んで
通りに面した店舗だけでなく、実は屋内にも店舗があります。創成川沿い、中央区南3条と南4条のあいだ辺りに入口があり、路面とはまた違った雰囲気を楽しめます。また同じく創成川沿いには、札幌のグルマンたちを虜にする「のれん横丁」も。海鮮自慢の店はもちろん、ちょい飲みの粋な店もあるのでおすすめです。
振り返れば、さっぽろテレビ塔
豊富な海の幸、威勢の良い売り手たちに目を奪われがちですが、買い物を楽しんだ後はふっと背中も振り返ってみましょう。ここは、札幌らしい景色が眺められるイチオシスポット。ビルとビルのあいだに「さっぽろテレビ塔」が、大きく望めます。また麓には、モニュメントが並ぶ創成川公園と穏やかな創成川が流れています。買い物休憩も兼ねて、景色を眺めながらしばし時間を過ごしてみてはいかがでしょう。