札幌市バリアフリー観光
冬のモデルコース①
北海道(札幌)の歴史と文化を楽しむ

視覚障がい当事者である、大学教授の広瀬さんにモニター参加の協力を頂き、昼は北海道開拓の村・北海道博物館で歴史や文化を体験。夜は札幌の冬を彩るさっぽろホワイトイルミネーションと、ミュンヘン・クリスマス市などイベントを体感。「触れる」「聴く」「香り」「食す」をテーマに、冬の札幌を楽しむモデルコースです。
このモデルコースでは、高齢者や障がい者をモニターとしたモニターツアーを実施し、そのツアーを通じて検証した、バリアフリー情報、旅行を楽しむためのポイント、ツアー実施中に得られた気付き、そしてモニターのリアルな 声を施設ごとに掲載しています。
これにより、旅行の準備から当日までの行動をより具体的にイメージできる内容となっています。

北海道開拓の村

開拓の村正面玄関前で記念撮影

明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を、4つのエリアに分けて移築復元・再現した野外博物館です。ボランティアによるガイドツアーや、風を感じながら村の広さを体感できる馬そり体験もできます。囲炉裏端では、炭の匂いと暖かさ、冬ならではの体験が楽しめます。 車いす対応のトイレは、各エリアごとに配置されています。 雪が降っても大丈夫なようにスキー板付き車いすや、子供用そりの貸出があります。 開拓の村食堂では「屯田兵定食」など昔の食事を再現した料理を楽しめます。

冬用車いすの貸出し
食事(屯田兵定食)
ボランティアガイドによるガイドツアー
冬の囲炉裏体験

【ポイント】
ガイドツアー、ポケット学芸員、触れることができる展示品、囲炉裏の火(匂いと温かさの体感)、雪の体験、馬そり、開拓期の食事メニューなど、視覚に障がいのある方が楽しめるコンテンツを確認しました。

【気付き】
ガイドツアーでは、専門知識を持つガイドによる詳しい説明があり、より鮮明にイメージでき、楽しむことができました。 また、道外からの参加ということもあり、普段体験する機会のない雪を楽しめたことや、馬そりがこの季節ならではのユニークな体験であったことも印象的でした。さらに、触れることができる展示品もあり、視覚に障がいのある方でも楽しめる要素が豊富にありました。

【参加者の声】
馬そり体験を通じて、開拓の村の建物の配置や広さを体感できたことは、大きな価値がありました。 ガイドボランティアの解説も素晴らしく、非常に興味深いものでした。やはり、博物館や歴史的施設では「人による解説」に勝るものはないと感じます。

北海道開拓の村

住所:札幌市厚別区厚別町小野幌50-1
電話:011-898-2692
公式HP:http://www.kaitaku.or.jp/

北海道博物館

マンモスゾウの見学の風景

野幌の森の緑に囲まれた美しいれんがの建物。北海道の自然・歴史・文化を紹介する北海道立総合博物館です。
総合展示では、「北海道120万年物語」や「アイヌ文化の世界」、「生き物たちの北海道」など5つのテーマで北海道を紹介しています。

正面入り口から受付まで(点字誘導ブロック・スロープ対応)
展示物(触る)標本
館内で使用できる車いす・ベビーカーの貸出あり
展示物(奏でる)楽器

【ポイント】
音声ガイドや触れる展示物のほか、正面デッキ、およびグランドホールの階段沿いの車いす用のスロープ、点字誘導ブロックの設置など、視覚障がいのある方が楽しめるコンテンツや設備を確認しました。また荷物の一時預かりサービスがあるので、身軽に見学ができます。

【気付き】
「はっけん広場」には、「じっくり観察する」「ホンモノに触れる」「道具を使う」「何かをつくる」といった体験ができるコーナーがあり、視覚障がいのある方も楽しめる要素がありました。

【参加者の声】
北海道の歴史・文化・自然を学ぶ上で重要な施設であり、展示の多様性が魅力的でした。 特に、ヒグマやアザラシの毛皮に触れる体験は印象的で、視覚に頼らない体験の価値を改めて実感する機会となりました。

北海道博物館

住所:札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
電話:011-898-0466
公式HP:https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/

札幌ビューホテル 大通公園

ホテル外観(昼間)

大通公園に面し地下鉄駅やすすきのへも徒歩圏内です。また、14階まで吹き抜けのロビーや四季折々の自然の美を感じながらくつろげるお部屋が特徴的です。
札幌の魅力を五感で楽しみ、くつろげる、心に残る、おもてなしが味わえます。

ユニバーサルルーム
アトリウム
ユニバーサルルーム(バスルーム)
朝食イメージ

【ポイント】
ユニバーサルルームを備えたホテルで車いす利用者の受け入れ実績が多数あります。事前に視覚障がい者の宿泊に関する情報を共有しました。また、バリアフリー旅行では出発地から荷物を送ると便利なため、ホテルでの荷物の受け取りや発送対応をお願いしました。

【気付き】
ホテルは大通公園からのアクセスが良く、観光に便利な立地でした。特に、さっぽろホワイトイルミネーションやミュンヘン・クリスマス市の開催時期だったため、イベントへの参加もしやすかったです。また、西11丁目駅からの移動は混雑が少なく、スムーズに移動できました。

【参加者の声】
ホテルは立地が良く、食事も美味しかったです。朝食時には、スタッフが視覚障がい者の存在を認識し、紙ナプキンの棚が近い席に案内するなどの配慮が見られました。また、北海道らしい食事メニューが提供されていた点も魅力的でした。
設備面では、シャンプー・リンス・ボディソープの識別がしやすく、部屋番号も触って確認できる仕様だったのが良かったです。

札幌ビューホテル 大通公園

住所:札幌市中央区大通西8丁目1番地
電話:0570-000-933
公式HP:https://www.viewhotels.co.jp/sapporo/

さっぽろホワイトイルミネーション
ミュンヘン・クリスマス市

さっぽろホワイトイルミネーション(ライラックシンボルオブジェ)

冬の札幌を彩る風物詩として定着した「さっぽろホワイトイルミネーション」は、1981年に大通公園(大通西2丁目)で約1千個の電球で始まりました。大通会場にはシンボルオブジェが設置されるほか、南北には札幌駅前通・北3条広場 (アカプラ)や札幌駅南口を会場に、東西には南一条通を会場に立木装飾が美しくきらめきます。
ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporoは、友好都市提携の一環として始まりました。
グリューワインなどの本場ドイツのクリスマス料理や、様々なクリスマスアイテムを扱うブースが出店し、大通公園をクリスマスの雰囲気で盛り上げます。

さっぽろホワイトイルミネーション(雪の結晶)
さっぽろホワイトイルミネーション(球体を触る)
ミュンヘン・クリスマス市(食事の様子)

【ポイント】
事前にロードヒーティングが設置されている場所の確認や、イベント会場の下見を行い、視覚障がいのある方がどのように楽しめるかを検討しました。

【気付き】
雪道での移動は危険が伴いますが、普段とは異なる特別な体験をする機会にもなります。イルミネーションが見えない部分については、触れることで体感できるものを取り入れる工夫が効果的でした。また、雪の中で温かい飲み物や特別な食事を楽しむことは、貴重な冬の体験となると感じました。

【参加者の声】
視覚障がい者にとってイルミネーションを直接「見る」ことは難しいですが、街の雰囲気を肌で感じることは重要な体験です。人の増えていく気配や、楽しそうな雰囲気を実感できたことが印象的でした。また、雪を踏みしめる感覚や凍結した路面を歩くスリル、手に触れる雪の冷たさなど、北海道ならではの冬の体験を楽しめました。
特に、寒さの中で飲んだホットワインは格別で、冬の札幌の思い出として強く印象に残りました。

さっぽろホワイトイルミネーション ミュンヘン・クリスマス市

住所:大通公園(ミュンヘン・クリスマス市は大通西2丁目)
公式HP:https://www.sapporo.travel/white-illumination/

函館開陽亭 どさんこ家

活イカ踊り造り

函館より毎日直送される「活イカ踊り造り」が名物で、北海道各地の本物、天然にこだわった素材を浜値で楽しめるお店です。
足の不自由な方や車いすの方は、エレベーターやエスカレーターが完備されており便利です。事前に電話予約も可能です。

毛ガニのむき身とカニみそ
食事風景

【ポイント】
北海道の食材を楽しめるバリアフリー対応の飲食店を選定し、事前予約が可能であることや、食べやすいメニューがある事などを確認しました。


【気付き】
視覚障がいのある方にとって、「食」は大きな楽しみの一つです。北海道の新鮮で美味しい料理を味わえるお店には、視覚障がい者にも高いニーズがあると感じました。

【参加者の声】
北海道の魅力のひとつは、新鮮で美味しい食べ物です。今回の食事を通して、視覚障がい者にとって「食」は特に大きな楽しみであり、期待が高いことを改めて実感しました。実際に、北海道ならではの魚介類を存分に味わうことができ、満足感の高い体験となりました。
また、同行者との会話が食事の楽しさをさらに引き立てたと感じました。地元の方々ならではの話を聞きながら食事を楽しめたことで、北海道の味をより深く堪能することができました。

函館開陽亭 どさんこ家

住所:札幌市中央区南4条西5丁目 レストランプラザ札幌 BF
電話:011-211-4944
公式HP:http://www.kaiyoutei.co.jp/


札幌市時計台

時計台全景で記念写真

現存する日本最古の時計塔​

クラーク博士の構想に基づき明治11年に建設された「札幌市時計台」。札幌を代表する人気スポットで国の重要文化財にも指定されています。 こちらの施設を堪能するなら館内見学をするのがおすすめ。館内では「札幌市時計台」の歴史や塔時計機械の保守映像などを見学することが可能。高齢者用車いすの貸出や簡易エレベーター、点字パンフレットも用意されています。

館内触地図と点字案内
音による観光体験
触れる記念写真スポット
車いすリフト(簡易エレベーター)
模型を触る

【ポイント】
点字資料や触れる展示物が用意されており、視覚障がい者向けの対応が整っています。
依頼すれば、時計台の縮小模型をガラスケースから取り出し、説明を受けることも可能です。
また、多目的トイレや昇降リフトも完備されています。

【気付き】
世界の鐘の音は、視覚障がい者でも操作しやすく、他ではなかなか体験できない貴重なコンテンツでした。
時計台の模型に触れることができる体験は特に好評でした。

【参加者の声】
精巧に作られた模型に触れられたことは、視覚障がい者にとって非常に有意義な体験でした。
世界各地の鐘の音を聞き比べる体験は興味深く、押しボタン式の操作も自力でできます。

札幌市時計台

住所:札幌市中央区北1条西2丁目
電話:011-231-0838
公式HP:http://sapporoshi-tokeidai.jp/

サッポロビール園

北海道の形をしたジンギスカン鍋で新鮮なラム肉を味わうことができます。「サッポロビール園」では、生後1年未満の臭みのないラム肉を堪能することができます。欲張り派には、ラムジンギスカン食べ放題のバイキングプランがおすすめ。サッポロ生ビールが味わえる飲み放題メニューを追加することもできます。メニュー表にはアレルギー表示がされ、ビーガン・ベジタリアン対応も可能なのでスタッフに声をかけてください。車いす対応可能なホールもあります。

ジンギスカン鍋(形を触る)
食事
ガーデンカフェ(土産)木彫りクマ触る

【ポイント】
ビーガン・ベジタリアン対応が可能で、視覚障がいのある方々の受け入れにも対応しています。園内には、車いす優先駐車場や多目的トイレも完備されています。また、ホールによっては昇降機が設置されております。

【気付き】
ジンギスカン鍋に触れる機会はなかなかありませんが、北海道の形をした鍋は特に好評でした。ジンギスカンの特徴的な香りに加え、ここでしか飲めないビールや美味しいジンギスカンを存分に楽しんでいただけました。

【参加者の声】
ジンギスカンは、焼ける香りや音も含め、五感で楽しめる北海道ならではの体験でした。食事前に北海道の形をした鍋に触れたことで、気分が一層高まりました。食事中は鶏・豚・羊の肉を食べ比べることができ、それぞれの味の違いを楽しめました。
また、トイレに近い席を案内してくれるなど、細やかな配慮が感じられました。さらに、服ににおいがつかないよう専用の袋が用意されていたのも面白い工夫でした。注文はタブレットで行いましたが、店員がこまめに対応してくれたため、注文のサポートを受けやすく、快適に食事を楽しめました。

サッポロビール園

住所:札幌市東区北7条東9丁目2−10
電話:0570-098-346
公式HP:https://www.sapporo-bier-garten.jp/

サッポロビール博物館

北海道でどのようにビール作りが行われてきたかを、展示とガイドで丁寧に説明してくれる、試飲付きプレミアムツアー(有料)は特に人気で、早めの予約がおすすめです(ガイド役による説明はプレミアムツアーのみ)。北海道遺産に認定された明治時代の建物につき、段差などが残っているのでご注意ください。館内はエレベーターがあり車いすを利用して見学可能です。

ピール窯の説明案内を聞く
古いレンガの感触(触る)
ホップの香り

【ポイント】
車いす優先駐車場(台数に限りあり)や多目的トイレが設置されており、補助犬の受け入れにも対応しています。

【気付き】
同行者が展示物の説明を行いましたが、人による解説がより楽しめるポイントになると感じました。実際にレンガに触れる体験も好評で、視覚中心の展示であっても、ちょっとした工夫で楽しめる要素を増やせると実感しました。

【参加者の声】
博物館の展示はどうしても視覚中心になりがちですが、人による説明があれば、内容をより深く理解することができます。点字資料などが用意できない場合、人による解説が最も有効なサポートになると思います。
また、ホップの香りを体験できるコーナーがあり、嗅覚を活用した展示がとても画期的でした。
博物館内で触れる資料が少ない場合、ミュージアムショップや、売店を活用するのも有効な方法だと感じました。実際に、ショップ内ではさまざまな商品に触れることができました。

サッポロビール博物館

住所:札幌市東区北7条東9丁目1-1 札幌ガーデンパーク内
電話:011-748-1876
公式HP:https://www.sapporobeer.jp/brewery/s_museum/
※2025年3月(工事開始日未定)より、サッポロビール博物館建物の屋根・外壁及び煙突の大規模修繕工事を行います。工事終了は12月を予定しております。詳しくはHPをご確認ください。

※交通機関利用の障がい者割引について
JR:自動券売機(近距離きっぷ機能)で販売する小児乗車券によりご利用いただくこともできます。詳しくは「障害者割引制度のご案内」をご確認ください。
地下鉄:券売機にて福祉料金のきっぷを購入して乗車してください。
バス:運転手に障がい者手帳を提示してください。
札幌市の障害者割引等については、札幌市のHPをご確認ください。


※移動時間は目安です。2025年2月時点での平日の時刻表を参考にしておりますので、必ず旅行日の時刻表でご確認ください。
また、営業時間や定休日などは事前に各施設のHP等をご確認ください。


モデルコースのお問い合わせ先
(一社)日本UD観光協会 https://www.juta.jp/?p=1888