開拓使編ストーリー 浮かび上がる「開拓使」の遺産 ー 札幌のまちづくり・ものづくり ー
近代国家を目指す明治時代の日本にとって、北海道を開拓し、その資源で産業を興すことはきわめて重要なことでした。そのための国の機関が「開拓使」です。札幌市街地を歩くと近代化の揺り籠ともいえる役割を果たした施設群に触れることができます。
なぜ北海道に開拓使がおかれたのか
明治政府は欧米列強からの独立を守るため、近代化と産業振興に取り組みます。北海道は南下するロシアへの防備として重要な場所でしたし、北海道の豊かな資源を開発することは近代国家に生まれ変わろうとする日本の国益に合致するものでした。そこで明治2年(1869年)7月から明治15年(1882年)の間、北海道開発のために設置された国の機関が「開拓使」です。北海道開発は重大な国家プロジェクトだったのです。
北海道は本州以南とは気候も土地条件も異なります。範を求めたのは条件が似ていて大規模な開拓の経験がある米国。開拓次官・黒田清隆はアメリカ合衆国連邦政府の農務長官・ホーレス・ケプロンを開拓使顧問として招きます。ケプロンは多くの外国人技術者(お雇い外国人)を指揮して地下資源調査、測量、道路開削、諸産業の振興に取り組みます。札幌農学校教頭のウィリアム・スミス・クラーク、地質技師のベンジャミン・スミス・ライマン、果樹栽培のルイス・ベーマー、酪農・畜産のエドウィン・ダンなどその数、78人。「開拓使」は北海道の自然の特性を見極めて近代技術を積極的に取り入れました。現・北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の敷地内には開拓使本庁舎が発掘され、史跡「開拓使札幌本庁本庁舎跡」として残されています。
創成川の東側にできた工業地帯
創成川(大友堀)の東側には、明治5年(1872年)から後に工業局・物産局・民事局となる開拓使の担当掛により、製材、木工、馬具、鋳物、製粉、製網、製糸(紡織所)、製糖、味噌醤油醸造などの工場群が整備されました。それらでは水車に加え最新鋭の蒸気エンジンを動力にしていました。その背景には創成川の舟運の便と、工業用水に使える豊平川の流水の存在がありました。
明治9年(1876年)に北3条通沿いに麦酒醸造所(現・サッポロファクトリーはその跡地につくられたサッポロビールの工場)が開業しました。事業責任者の旧薩摩藩士・村橋久成は東京ではなく札幌での建設を主張し実現します。なぜなら醸造技術者の中川清兵衛がドイツで学んできたのは冷製発酵の醸造法で、大量の天然氷と冷涼な気候が成否のカギだったからです。
同年、札幌農学校も開校します。卒業後は一定期間、開拓使での奉職が義務づけられ、近代技術を学んだ優秀な卒業生が農業や土木分野で活躍しました。札幌農学校演武場が現・時計台です。
亜麻、ホップ、リンゴ、ブドウ、イチゴなども官園や本庁周辺で試験栽培されました。
よく似た天井中心飾り
明治の同時期に建てられた豊平館、清華亭、旧永山武四郎邸。いずれの建物にも洋間の天井には「天井中心飾り」といわれる漆喰でできたレリーフがあります。これは高度な伝統技術を持つ職人が制作したもの。よく見るとそれぞれ特徴もあり、比べて見るのも良いかもしれません。
農民として、兵士として働いた「屯田兵」
移住者を定着させ、北の守りを固めるために採用されたのが、屯田兵制度です。平時は農耕・開墾に従事し、有事には兵士となるよう軍事訓練が義務づけられました。北3条通りは屯田兵の父と呼ばれた永山武四郎が自邸から馬で開拓使札幌本庁舎に通った道でもあります。
開拓使のマークは赤い五角形の星(五稜星)。時計台、豊平館、清華亭など開拓使ゆかりの建物に今も輝いています。清華亭の傍の池では湧水を利用してサケマスのふ化事業も行われていました。随所で「開拓使」の遺産が浮かびあがる札幌。この街を歩くと、近代国家建設に尽力した先人の思いに触れることができるのです。
星の数を数えてみよう
開拓使のシンボル「五稜星」。時計台、豊平館、清華亭など開拓使ゆかりの建物にはこの星の印が見られます。例えば時計台には17個もの星があります。色々な建物の星を数えてみるのも一つの楽しみ方かもしれません。
文化財の名称 | 指定等の状況 | 所在地 |
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エドウィン・ダン記念館 | 国登録有形文化財、札幌景観資産(第20号)、 さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.42 | 南区真駒内泉町1丁目6-1 |
北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎) | 国指定重要文化財、国指定史跡 | 中央区北2・3条西5・6丁目 |
開拓使札幌本庁本庁舎跡および旧北海道庁本庁舎 | 国指定史跡 | 中央区北2・3条西5・6丁目 |
桑園碑 | 指定なし | 中央区北1条西16丁目 |
創成川 | さっぽろ・ふるさと文化百選(街並)No.85 | 中央区 北区 東区 |
創成橋 | さっぽろ・ふるさと文化百選(街並)No.85 | 中央区南1条西1~東1丁目 |
豊平川 | 指定なし | 南区 豊平区 中央区 白石区 東区 |
北3条通 | さっぽろ・ふるさと文化百選(街並)No.77(木レンガ舗装とイチョウ並木) | 中央区北3条西4丁目北3条広場(さっぽろ・ふるさと文化百選指定区域) |
旧札幌麦酒会社工場(サッポロファクトリー) | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.1 | 中央区北2条東4~5丁目 |
札幌農学校とクラーク博士 | さっぽろ・ふるさと文化百選(遺跡)No.53 | 北区北9条西7丁目 北海道大学 |
旧札幌農学校演武場(時計台) | 国指定重要文化財 | 中央区北1条西2丁目 |
旧開拓使工業局庁舎 | 国指定重要文化財 | 厚別区厚別町小野幌50-1 北海道開拓の村 |
旧永山武四郎邸 | 道指定有形文化財 | 中央区北2条東6丁目2番地 |
豊平館 | 国指定重要文化財 | 中央区中島公園1-20 |
清華亭 | 市指定有形文化財 | 北区北7条西7丁目 |
偕楽園跡 | さっぽろ・ふるさと文化百選(遺跡)No.55 | 北区北7条西7丁目 偕楽園緑地 |
サッポロビール博物館 | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.33 | 東区北7条東9丁目 |
※上記一覧には、公開されていないものもあります。
※開拓使の事績を伝え、文明開化の先端をいった北海道の気風をよく表している時計台、豊平館、清華亭などの洋風建築群は、「開拓使時代の洋風建築」 の名称で北海道遺産に選定されています
ストーリーに関連する文化財を
めぐってみよう!
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1
札幌農学校とクラーク博士
北海道大学の前身である札幌農学校は、北海道開拓の人材育成を目的として1876(明治9)年に開学しました。
その教頭として来日したのが、「Boys,Be,Ambitious!」の言葉で有名なウイリアム・S・クラーク博士です。
構内の古河講堂前にひっそりとたたずむ、クラーク博士の銅像。
羊ヶ丘展望台にある全身像とは、また違った趣を醸し出してます。
札幌市北区北9条西7丁目 北海道大学キャンパス内
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2
清華亭
1880(明治13)年、明治天皇の北海道行幸の際の休憩所として建築されました。
全体に洋風の造りのなかで、至るところに和風の様式を調和させたデザインとなっています。
同じ時代の建築物が移築されているのに対し、清華亭は現在も建築時と同じ場所でその姿をとどめています。
中には記録資料などが展示されており、自由に見学できます。
札幌市北区北7条西7丁目
観覧時間 9:00~16:00
休館日 年末年始 -
3
偕楽園跡
偕楽園は、1871(明治4)年に開拓使によってつくられた公園。
育種場の中にあり、農業官園や仮博物場などの産業振興施設も存在していました。
現在は、その一部が偕楽公園となっています。
「民と偕(とも)に楽しむ」という意味から名づけられており、今も市民の憩いの場として親しまれています。
園内には清華亭の姿が当時のまま残されています。
札幌市北区北7条西7丁目 偕楽園緑地
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4
創成川
中島公園付近から市街地を通り抜け、石狩市あたりまで続く長さ1.4㎞ほどの河川。
幕末に大友亀太郎によって、農業用水や生活用水のために開削された水路が始まりと言われています。
最初は大友堀という名がつけられていました。
河川のまわりには公園が整備されるなど、市民の憩いの場として四季折々の美しい景観を見せています。
札幌市中央区、北区、東区
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5
北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
1888(明治21)年に建てられ、「赤れんが庁舎」の愛称で親しまれている建物です。
アメリカ風ネオ・バロック様式の建築で、中に入ると明治時代に作られたひずみのあるガラスなどがあり、まるでタイムスリップしたような感覚に。
北海道の歴史が学べるほか、季節で異なる美しい自然の表情も魅力。
札幌市中央区北2~3条西5~6丁目
観覧時間 8:45~18:00(2025年3月までリニューアル工事のため休館)
休館日 年末年始
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6
北3条通
1924(大正13)年に、札幌市内で初めて木製のレンガによる舗装が行われた通りです。
翌年には32本のイチョウが植えられ、今も美しい並木として行き交う人々の目を楽しませています。
北3条広場では、季節ごとにさまざまなイベントが行われています。
札幌市中央区北3条西4丁目 北3条広場
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7
旧札幌農学校演武場(時計台)
札幌農学校の施設として1878(明治11)年、初代教頭だったクラーク博士の構想に基づき建設されました。
赤い屋根と白い壁が印象的な建物内は、1Fが建物の歴史や歩みを知ることができる大展示室、2Fがホールとなっており演奏会などに使われています。
週2回、ネジ巻きが行われる塔時計は今も現役で、札幌市民に時を知らせています。
札幌市中央区北1条西2丁目
観覧時間 8:45~17:10(入館は17:00まで)
休館日 1月1~3日
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8
桑園碑
明治初期、開拓使は札幌で養蚕業をすすめるため、南1条から北側と、西8丁目から西側を桑畑とすることを決めました。
そのために約21万坪の土地を開墾し、桑の木を植えたのが、「桑園」の地名の由来です。
豊かな緑に囲まれた知事公館敷地内に静かにたたずむ「桑園碑」には、こうした地名の由来のほかにも、桑園地区の歴史が刻まれ、先人の苦労をしのんでいます。
札幌市中央区北1条西16丁目
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9
豊平館
1881(明治14)年に開館した豊平館は、明治政府機関が建てた唯一のホテル。
最初の宿泊客は、札幌・北海道の視察に訪れた明治天皇でした。
日本の伝統的技術を駆使して建造された明治初期の代表的な木造洋風建築で、国指定重要文化財。
1958(昭和33)年に現在の場所に移築され、現在は交流施設として活用されています。
札幌市中央区中島公園1-20
観覧時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 第2火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
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10
サッポロビール博物館
北海道遺産のレンガ造りの建物は、日本で唯一のビール博物館。
北海道開拓とサッポロビールの歴史を知ることができます。
自由見学もできますが、プレミアムツアー(有料)に参加するとビールの魅力もさらにアップ。
ツアーの最後には、開拓使時代の味を再現した限定の「復刻札幌製麦酒」と「サッポロ黒ラベル」の試飲も待っています。
札幌市東区北7条東9丁目1-1
観覧時間 11:00~18:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
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11
旧札幌麦酒会社工場(サッポロファクトリー)
1876(明治9)年、開拓史によってつくられた、日本人による初のビール工場「開拓使麦酒醸造所」の跡地に建つ商業施設。
地下から4Fまで吹き抜けになっている「アトリウム」には、アウトドアショップや雑貨店、飲食店などがぐるりと立ち並んでいます。
11月には巨大なクリスマスツリーのイルミネーションと音楽が雰囲気を盛り上げます。
札幌市中央区北2条東4丁目
営業時間 ショッピング10:00~20:00/レストラン11:00~22:00
休館日 不定休
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12
旧永山武四郎邸
北海道開拓の祖と言われた、第2代北海道庁長官・永山武四郎の私邸。
1880(明治10)年頃に建てられたこの邸宅は、純和風書院座敷と洋風応接室がつながる和洋折衷様式で、開拓時代に多く見られた西洋建築技術を取り入れた住宅の先駆けと言われています。
北側にある2階建ての洋館は、白木と緑の屋根が印象的です。
札幌市中央区北2条東6丁目
観覧時間 9:00~22:00
休館日 毎月第2水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
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13
創成橋
南1条通の創成川にかけられている創成橋は、建設当時の姿を復元したもの。
橋のたもとは、市街の区画割の基点になったと言われています。
欄干にある擬宝珠(ぎぼし)は、この橋が格式の高い橋であったことを示すものです。
石造りのこの橋は、上部は純日本風、下部はアーチ型の構造という、とても特徴的なデザインとなっています。
札幌市中央区南1条西1~東1丁目
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14
豊平川
札幌市の中心部を流れる豊平川は、南区の定山渓から市街地、そして石狩川へと合流する第一級河川。
秋には鮭の遡上する姿が見られます。
河川敷では花火大会などのイベントが行われるほか、上流地区には遊水路と遊具を設置したウォーターガーデンやサイクリングロード、テニスコートなども整備。
川に癒されながら、多くの市民がレクリエーションを楽しんでいます。
札幌市中央区、南区、豊平区、白石区、東区
カフェでちょっとひと休み
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喫茶室ハルニレ(豊平館内)
〒064-0931札幌市中央区中島公園1番20号
豊平館内にある喫茶室ハルニレ。
館内見学をしたついでに、上品な空間で美味しい焼き菓子や豊平館オリジナルの珈琲で一息ついてみてはいかがでしょうか。
11時~15時に1階会食所でご利用可能。
011-211-1951
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SIAFラウンジ(旧札幌控訴院庁舎(札幌市資料館)内)
札幌市中央区大通西13丁目 札幌市資料館1階
札幌市資料館の1階にあるこのラウンジは、3年に1度、世界の最新アート作品が集まるイベントである札幌国際芸術祭(SIAF)にまつわる本や資料を自由に読むことができる。
011-252-9360資料館を訪れたついでに、美味しいケークサレとオリジナルのブレンドコーヒーでちょっとひと休みしてみては。
011-252-9360
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ナガヤマレスト(旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮内)
北海道札幌市中央区北2条東6丁目
ナガヤマレストは旧永山武四郎邸と同じく和洋折衷様式の喫茶店。
レトロな洋食メニューやSNS映え間違いなしのスイーツ。
011-215-1559
営業時間はウェブサイト等でご確認ください。
文化財周辺の
おすすめ観光スポットを紹介!
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アイスクリームBar HOKKAIDO ミルク村
カフェ/すすきの
地元から全国にファンをもつ札幌有名店ミルク村です 「リキュールと特製アイスのえもいわれぬハーモニー」北海道の厳選されたミルクを使用した自家製アイスクリームに高級リキュールをかけて味わうことができる有名店です。
店主の岩村さんは愛媛県出身ですが、パリで洋菓子を作っていた本格派パティシエ。
スキーが趣味であり、スイーツに必須の新鮮で美味しいミルクが手に入る北海道に移住して1995年に創業。
最高級のヘネシー・リシャール、レミーマルタン・ルイ13世、カミュー・ジュビリバカラなども味わえるため男性ファンも多く、広告宣伝を一切行わない札幌の隠れた名店です。札幌市中央区南4条西3丁目ニュー北星ビル6階
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けやき すすきの本店
グルメ/すすきの
札幌といえば味噌。地元客にも愛され行列の絶えない味噌専門の名店・店主のこだわりでもある濁りのないスープは豚のゲンコツや親鶏を厳選した野菜と一緒に10時間以上煮込んで完成。
うまみの凝縮したスープと中太縮れ麺の融合はまさに絶品。札幌市中央区南6条西3丁目睦会館1階
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サンドイッチ工房 サンドリア
グルメ/すすきの
サンドリアは、1978年にオープンしたテイクアウト専門のサンドイッチ工房。
食材は北海道産にこだわり、創業以来のレシピで仕込んだ具材をたっぷりサンド。新鮮でリーズナブルなサンドイッチを求めて札幌市民が足繁く通う。すすきのからほど近くにあり、24時間営業なのもうれしいところ。常時40種類のサンドイッチを販売しており、一番人気はダブルエッグサンド。サンドイッチオードブルは誕生会などの行事用に人気(3日前までに要予約)。テイクアウトしてホテルで食べるもよし、お店から徒歩15分の中島公園でピクニック気分を楽しむもよし。ぜひ気軽に立ち寄ってみて。札幌市中央区南8条西9丁目758-14
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ジンギスカン羊飼いの店『いただきます。』
グルメ/すすきの
北海道産羊肉100%のジンギスカン店
ジンギスカン店を開くために牧場から始めた男の店。
牧場直送だから羊一頭丸ごと提供。
高級品種サフォークのロースやレバーなど希少な部位が楽しめる。どうせなら北海道産を!札幌市中央区南5条西5丁目1番地6(東向き一軒屋)
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なかよし餃子エリザベス
グルメ/すすきの
皮からすべて手作りの餃子と無国籍料理が自慢の大衆酒場!
札幌ススキノの外れ、創成川沿いビルの2Fにある、手作りの餃子と無国籍料理が自慢の大衆酒場「なかよし餃子エリザベス」。しっかりと味付けした旨味たっぷりの肉餡をモッチモチの手作り皮で包み、放射状に並べて蒸し焼き、仕上げにたっぷりの胡麻油で揚げる様に焼く事で表面のバリッとした食感にまでこだわった、エリザベスでしか味わえない餃子です。ほかにも、味はもちろん、目にも嬉しいお料理・酒肴、それらにぴったりなお酒をたくさんご用意しています。札幌市中央区南四条西1丁目15-2 栗林ビル 2F
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創成川公園
公園/創成川付近
2011年に札幌市の中心部を東西に分ける「創成川通」沿いに完成。創成川は、江戸時代に造られた用水路「大友掘」が前身で、昭和初期には河畔にサーカス小屋や露店などで賑わった。その面影を継承するように、南4条から北1条まで続く全長820mの公園に遊歩道を整備。水辺にも降りていけるよう階段も設けられている。遊歩道脇はライラックが彩り、レンガを用いた団塚栄喜氏のアートワークも点在。まるで野外美術館のように楽しめる。1区画ごとに造りに変化を持たせているので、飽きずに歩けるのも特徴。
札幌市中央区(創成川通)北1条~南4条
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D&DEPARTMENT HOKKAIDO by 3KG
雑貨屋/西18丁目
札幌市内中心部からほど近くにあるD&DEPARTMENT HOKKAIDO by 3KGは、「ロングライフ」の視点で、人々に長く愛され価格が手頃な雑貨や家具を紹介するセレクトショップ。日本各地の地場産業や伝統工芸に注目しているのが特徴で、日本のものづくりを楽しめる。札幌、旭川、小樽、函館などからセレクトされた「メイド イン北海道」の商品はお土産におすすめだ。
札幌市中央区大通西17丁目1-7
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Siesta Labo.(シエスタ ラボ)
石鹸工房/西11丁目
Siesta Labo.(シエスタ ラボ)は、出来る限り自然素材のみを使用し、ヨーロッパに昔から伝わる伝統的な製法で石鹸を手作りする工房兼ショップ。敏感肌の人も安心して使えるよう原料にこだわり、十勝の小豆、オホーツクの天然塩、下川町の白樺やモミ、富良野のラベンダーなど北海道の恵みをふんだんに使用。「石鹸を通じて北海道の魅力を発見してほしい」という思いからオーナー自ら原料の産地に足を運び、つくり手の顔が見えるものづくりを心がける。併設した工房の窓から石鹸ができる過程を眺めるのも面白い。ミニサイズの詰め合わせは北海道旅行のお土産にもおすすめ。
札幌市中央区南1条西12丁目4-182 札幌ASビル1F
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space1-15
複合施設/西11丁目
space1-15はカフェ、雑貨、洋服、作家の工房など約20店が週末限定で営業する札幌中心部近くの新名所。古いマンションの玄関でインターホンを押して中に入るユニークな仕組みだ。2〜5階には、札幌でものづくりに携わる店主が自由に改装した個性溢れる部屋が並び、ドアからドアへ巡ると楽しい。401号室のカフェ「KITCHEN TOROIKA」は木曜から日曜の12時〜20時まで営業しているので、玄関で「401」を押して、ここで腹ごしらえをしてから館内を回るのがおすすめ。札幌でデパートとはひと味違う買い物を楽しみたいなら、ぜひspace1-15へ。
札幌市中央区南1条西15丁目1-319 シャトー・ル・レェーヴ
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北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園
学び/札幌駅
1886(明治19)年に造られた、日本で2番目に古い植物園。札幌農学校二期生の植物学者、宮部金吾が1883年に植物園の設立計画を命じられ、翌年の6月から北海道の植物を採取する旅で集めたという樹木が今も残る。根室に立ち寄った際に、居合わせた船で渡った千島から持ち帰ったと言われているグイマツもそのひとつ。現役で使われている博物館の建物としては日本最古となる、開拓使の博物館も見どころ。また、アイヌ民族の資料を展示する「北方民族資料室」では、1935(昭和10)年に旭川で撮影された、熊の霊を送る儀式「熊祭」の無声映画を放映。神聖な儀式を動画で見られる、非常に貴重な展示資料と言える。
札幌市中央区北3条西8丁目
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雪印メグミルク 酪農と乳(にゅう)の歴史館
学び/苗穂
雪印メグミルク株式会社は北海道を代表する乳業メーカーの一つ。その企業ミュージアムである酪農と乳の歴史館は、同社前身の雪印乳業の創業50周年記念事業として1977年に開館。乳製品の製造機器や工場の1/30模型、バターチャーン、創業時使用した製造機など約850点の展示品が並ぶ。見学は完全予約制で、50年以上前に使用していた機械類や現在の工場の様子を模型などで見た後、隣接する札幌工場で牛乳が作られている過程を見られる。終了後の牛乳やチーズなどの試食も人気。酪農や乳業について学んだ後に、工場直送の牛乳がすぐ飲めるのが嬉しい。
札幌市東区苗穂町6丁目1-1
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北海道立三岸好太郎美術館
学び/西18丁目
札幌出身で日本近代洋画史を彗星のごとく駆けぬけ、わずか31才で夭逝した画家、三岸好太郎(みぎしこうたろう)の作品を収蔵し、その画業を紹介する個人美術館。遺族から220点の作品が北海道へ寄贈されたのを機に、1967年に「北海道立美術館」(三岸好太郎記念室)として開館。1983年には三岸好太郎のアトリエのイメージを取り入れた同館を現在地に建設し、新たに開館した。三岸好太郎の生涯にわたる代表的作品を展示する所蔵品展を中心に、三岸の芸術をさまざまな角度からとらえた特別展のほか、講演会や音楽会なども開催されている。
札幌市中央区北2条西15丁目
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北海道立近代美術館
学び/西18丁目
1977(昭和52)年の開館以来、自館のバラエティーに富んだ収蔵品をさまざまな角度から展示する「これくしょん・ぎゃらりい(常設展)」と、国内外のユニークで多彩な作品を展示する特別展を数多く開催。主に片岡球子、岩橋英遠、木田金次郎、神田日勝など北海道ゆかりの作家の絵画や彫刻を系統的に収集しており、またアールヌーヴォーから近代までの国内外の優れたガラス工芸品のコレクションは国内でも定評がある。さらに、1920~30年頃を中心にパリで活躍したパスキンをはじめとする「エコール・ド・パリ」の作家たちの作品も見ごたえたっぷりだ。
札幌市中央区北1条西17丁目
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北海道大学総合博物館
学び/北大付近
北海道大学総合博物館は、札幌駅北口から徒歩10分ほどで行ける無料の博物館。北海道大学の構内でも、ひと際歴史を感じさせる重厚感のある建物は、1929年に建てられ、1999年まで理学部本館として使われていた校舎を利用している。140年以上前に札幌農学校として開校して以来、収集・保存・研究されてきた300万点以上にも及ぶ標本や資料を蓄積。成雄ホルスタインの巨大な骨格標本や、マンモスの実物大模型など見どころが満載。標本を見るだけでなく、標本に手で触れて「感じる展示室」や、床を足で軽く蹴るだけで振動をキャッチする地震計の展示、研究現場を垣間見る「ミュージアムラボ」など、好奇心をくすぐる様々な展示が揃う。更に、2016年7月のリニューアルにより、12学部の教育研究内容がわかる展示が増えたほか、軽食やお酒を提供するミュージアムカフェも新設された。
札幌市北区北10条西8丁目
- 発行
- 札幌市歴史文化のまちづくり推進協議会
(事務局:札幌市市民文化局文化部文化財課) - 札幌市中央区北1条西2丁目札幌時計台ビル10階
- 電話 011-211-2312
- 令和3年3月
令和2年度文化庁
文化資源活用事業費補助金(観光拠点整備事業)