札幌農学校第二農場

北海道の酪農と洋式農業の発祥の地。クラーク博士が構想し弟子たちが設計

1876(明治9)年、札幌農学校の開校とほぼ同時に開設された農黌園(のうこうえん)が北大農場の原型だ。初代教頭クラーク博士の指導によって造られ、近代的な大規模洋式有畜農業を日本に導入するための拠点となった。第二農場には北海道の風土にあった酪農のモデル農場の姿が当時のまま残されている。その中心を担うのが1階が家畜舎、2階が干草置き場の模範家畜房。クラークの後を継いだ第2代教頭のホイーラーが、マサチューセッツ農科大学農園の家畜房にならって設計をした。風船構造と呼ばれる建築様式で、屋根を支える柱がないのが特徴的だ。1969(昭和44)年、国の重要文化財に指定。

コーンバーン(穀物庫)

コーンバーン(穀物庫)

1877(明治10)年、トウモロコシの貯蔵庫として建てられた。設計はブルックス教授。建物全体が49本の高さ1mの束石の上にのった高床式で、鼠返しを設けている。壁は風通しのよい簀子板張りなど、保存状態をよくする工夫が随所に見られる。

農機具

農機具

日本の近代農業の黎明期に使われていた農機具が遺る。北海道開拓史次官・黒田清隆が招聘したアメリカ農務局長ケプロンや札幌農学校が輸入したもので、約100点を収蔵。また農作業を人間の力のみに頼っていたころ、万能道具だった鋤・鍬も80点ほど展示されている。

サイロ

サイロ

牧牛舎の東側北寄りにそびえるサイロ(緑飼貯蔵室)。建築は1912(大正元)年、道内最古のサイロといわれる。札幌軟石で造られ、大きさは内径約5m、飼料詰め込み容量195㎥。当時としては最大級だったようだ。

札幌農学校第二農場

住所
札幌市北区北19条西8丁目
電話
011-706-2658
公式サイト
https://www.museum.hokudai.ac.jp/outline/dai2noujou/
備考
※営業時間・定休日などの詳細はHPを御覧ください。